第17章 忘却
取材が終わって直ぐ、
俺たちはマネージャーからその話を聞いた。
一瞬、地面が波打ったのかと思ったら、
俺がフラついたんだった。
後ろから松潤が俺を支えてくれた。
目の前が真っ暗になるって、
こんな感じなんだと初めて知った。
でも、事故はたいしたことはないらしく、
後ろからわき見運転の車に追突され、
怪我はないらしいが、
念のため検査をするとのこと。
そう聞いて、安心したはずなのに、
身体の震えが止まらなかった。
顔を見に行きたいと言ったが、
騒ぎになるので、止められた。
松「大丈夫だよ。」
松潤が俺にそう言って、肩を抱いてくれた。
「....うん..」
それでも心配そうな俺のために、
松「ねえ...退院はいつなの?」
と聞いてくれた。
マネージャーは
「はっきりしたことは、分かりませんが、
数日で退院になると思いますよ~」
それを聞いても、
表情を強ばらせたままの俺のために、
松「5人一緒じゃなくてもさ、
少し顔見に、行けないの??」
食い下がってくれる松潤に、
マネージャーは事務所と病院に
連絡してくれ、夕方にお見舞いに
行けることになった。
今日のところは、2人だけ、ということで、
俺と松潤が行くことになった。
松「よかったね、ニノ。
顔見たら、安心するって!!」
「うん.. ..ありがと。松潤..」
やっと笑顔になれた俺の背中を、
ポンと叩いて、松潤は笑った。