第17章 忘却
〔二宮side〕
翔さんが片付けてくれる間に、
俺はシャワーを済ませ、
出掛ける準備をした。
「翔~♪行くよー」玄関で声をかけると、
櫻「待って!!忘れ物~♪」
そう言って出て来た翔さんは、俺にチュッと
音を立てて触れるだけのキスをした。
テレて上目遣いに
「いってきます...」
と言う俺に、
櫻「続きは今夜♡」
と誘うようにウィンクしてみせた。
真っ赤になる俺に、してやったりの顔で
翔さんは最高の笑顔を見せるんだ。
その5時間後のことだった。
俺の耳に、翔さんの乗った車が
事故にあった、
という話が飛び込んできたのは.....