第17章 忘却
生乾きの髪をそのままに、
リビングに行くと、翔さんはビールを
飲みながらテレビを見ていた。
俺の気配に気づいたのに、
俺を見ないまま左手を肩まで上げる。
そこに滑り込んで来いよ...と無言で示す。
ほらね...
そんな仕草にキュンとしてしまう俺は、
素直にそこに入り込むんだ。
そんなオラオラな感じも、たまらなく好き♪
って思ってしまう俺って、
かなりの重傷だと思う。
櫻「ビール、飲む?」
「..いい...」
翔さんは自分の飲んでいた缶を差し出し、
櫻「少し、飲む?」と、
今度は俺を真っ直ぐに見つめて言う。
分かってるでしょ?俺の答え...
翔さんの思い通りになるのも、
最早心地いいと思っている俺...
そんな俺をお見通しの翔さん...
「翔が飲ませて♡」
その答えで、正解でしょ?
翔さんは軽く笑って
ビールをひとくち口に含み、
俺の喉に流し込む。
柔らかい唇に全身が痺れてくるようで、
俺は思わず翔さんの肩に両手を乗せる。
すかさず翔さんの舌が素早く
俺の舌を捉えて絡みつく。
いきなりの激しいキスに、
頭の芯がジンジンしてくるのが分かる。
(早く..早く欲しい...はやく//)
櫻「もう、我慢できないんでしょ?」
分かってるくせに、ワザと意地悪く言う
翔さんの首に両手を絡ませ、
「...早く..シよ♡」
翔さんに抱き上げられ、
ベッドに向かう俺は、
期待で身体の中心が熱くなるのを感じていた。