第16章 擦違
その場に残された3人を、
気まずい空気が包む。
大野さんは、何となくニノの不機嫌の原因が
分かっているのか、
少し困った顔をしているが、
松潤がいるからか、何も言わない。
松「どうしたの?けんか??
...そんな雰囲気なかったのに...」
「いや..違うよ...いいんだ。
何かごめんね~。気い遣わせちゃって...」
俺は動揺していた。
有無を言わせない、ニノの強い態度、
そんなのは初めてで、
何だかんだと言いながらも、2人のときも、
メンバーといるときも、
ニノは俺に従ってくれてた。
それが.... .....
頭の中が整理出来ないでいる俺に、
松潤が優しく言う。
松「原因は分かんないけど、
あんな怒ってるっていうのは、
裏を返せば、翔さんのことを
思ってるってことだよ...
でなきゃ、みんなの前で、
あんな事するニノじゃないでしょ??」
その言葉が胸に刺さる。
松「誤解って、『解を誤る』って
ことでしよ??間違えてるなら、
正しい方に直せばいいんだよ...」
松潤は、時々、大事なときに、
俺に答えをくれる。
お前って、すげーよ...ホント...
尊敬するわ...
「俺、行くわ!!!」
決心した俺の肩を、
大野さんがそっと押しながら言った。
大「解けるまで、へこたれんな!!!!」
「おう~..」
2人の仲間に背中を押してもらい、
俺はニノを追った。