第16章 擦違
幸い、その話は、それ以上は突っ込まれず
やりすごすことができたが、
ニノがそれを境に、
少し元気がなくなったようで、
俺は気が気ではなかった。
12時を回った頃、会もお開きになり、
タクシーを何台か呼んで貰った。
同じ方面で一緒に乗るんだけど、
俺は当然、反対方向のニノを誘った。
するとニノは、
ニ「今日はやめとくよ...
相葉さん、帰ろっか!!」
そう言われて焦るのは、相葉くんの方。
相「えっ!?..だって...えーっ!!いいの??」
二「何、訳わかんないこと言ってんの~?
ほら...行くよ!!!」
俺は、全く目を合わせようとしない
ニノの腕を掴んだ。
「待ってよ...ニノ...今日は来いよ..」
ニノの誤解を解かなきゃ!!と思った。
でも、ニノは俺を真っ直ぐ見て言ったんだ。
二「...今日は行かない。」
感情を押さえてそう言ったニノの迫力に、
俺は、何も言い返せず、
他のメンバーも黙っていた。
最初に来たタクシーに有無を言わさず、
相葉くんの腕を引っ張って乗り込むと、
ニノは、あっさりと帰ってしまった。