• テキストサイズ

いつも貴方がいた【気象系BL】

第15章 秘密



俺は大野さんを抱えて玄関を入った。
仄かに漂う、独特の油絵の具の匂いに、

(ああ~この感じ...♪智くんちだぁ..)

何だか懐かしかった。
俺たちがこんなに忙しくなる前は、
よくここに来ていた。
そしていつも、智くんの才能に
舌を巻いていたんだ。

絵は苦手な俺にとって、
智くんの描く油絵やイラスト、
そして立体的なフィギュアは、もう、
それだけで驚愕に価することだった。

「このまま趣味にしとくの勿体ないよ!!!」

と、事務所に掛け合って、
個展を開かせたのも俺だった。

いつもは、ぼんやりして居る彼の、
非凡な才能が羨ましくもあり、
尊敬もしていた。

(まあ、今俺にもたれて、
上機嫌な彼からは、
正直そんなの感じないけどね...)

「大野さん、着いたよ~...」

大「...しょおちゃん...水~」

全く世話が焼けるよ...
俺は笑いながら冷蔵庫から
ペットボトルを出してきた。

「ハイ、どーぞ...つーか、大丈夫~?」

大「...ごめんね..なんかね..」

(ダメだな..こりゃ...)
/ 597ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp