第14章 盲目
〔櫻井side〕
最後の賭で、帰るそぶりを見せたのが、
候をそうし、ニノは殻の中から
出てきてくれた。
心の中で、『よし!!!』と
ガッツポーズを作った俺も、
ニノが泣いていたのには流石に驚いた。
でも、しゃくりあげる姿が、
たまらなく可愛くて。
「どうして、怒ってたのか、
話してくれる気になった?」
ニ「...俺、翔が...女の子に囲まれて
楽しそうなのが...その..頭来て..」
「囲まれて...って、あれは...」
ニ「そうだよ!!そんなの分かってる//
別に、翔が望んで、そうなったんじゃない!」
「.....」
ニ「...女の子に腕とか触られたりして、
笑ってた...それが、イライラした...」
「...それってさ...」
ニ「そうだよ!!俺のやきもち///
めちゃくちゃ妬いてた...」
「カズ.....」
ニ「翔は心配して来てくれたのに、
素直になれなくて、ごめんなさい」
(なんだそれ!!!やきもちって...
マジか!!ヤバい!!可愛すぎる♡」
「カズ...♡」俺が上げた右腕の下に、
滑り込んできたニノは、
上目遣いに俺を見上げ、潤んだ目で、
とどめを刺す...
ニ「しょおのことが、好きすぎて...
苦しいよ...
こんなの、初めてだよ~//」
溢れる愛しさに、
思わずニノを強く抱きしめていた。
俺の胸に、
すっぽりと収まってしまうニノの背中に
回した手に、更に力を込めると、
ニ「..痛いよ..翔...」
と少し笑って言った。
そんなニノの頬を挟んで、
俺は、唇を重ねていった。