第14章 盲目
〔櫻井side〕
普通は顔出したりしないけど、
同じ所にニノが居た!!っていうので、
なんか運命かんじちゃって...
ちょっとでも顔見たくなって、
こんなとこ、来てはみたけど、
ニノは行っちゃうし、
明らかな下心丸出しの女に
捕まっちゃうし....
少ししたら、退散しよう...
そう思っていたら、
「翔くん!!」
声を掛けてきたのは、
少し前のドラマで一緒だった
スタッフのメイクさん。
年も同じで、フットサルのチームに
入ってるって言うんで、意気投合した娘。
「おー!!久しぶり~、元気だった??」
懐かしさもあって、彼女と盛り上がり、
すっかり場に馴染んでしまい、
他のスタッフ(こっちは男性)も含め、
サッカートークに花が咲き...
その間、ずっとの女の子2人に
挟まれていたわけで....
(ニノは...っと)
(あれっ??...居ない..)
「ニノは??」思わず声に出てしまうと、
スタッフの彼が「何か調子悪いとかって、
さっき帰りましたよ~...」
(マジか...!!全然話せなかった)
流石に直ぐ席を立つのも不自然なので、
しばらく呑んでから、会場を出た。
幸い、下心ちゃんは、人が多くて、
それ以上は近づいてこなかった。