第13章 幸福
俺たちは、舗装されていない脇道に入り、
自転車を近くの木に立てかけた。
「うまい!!」
サイクリングで温まった身体に、
冷たい食感が心地いい。
櫻「こけもも..どう?」
「こけももね...(再度食べる)....
ど~かなぁ...?」
俺は翔さんにソフトクリームを差し出す。
櫻「うまくなかった??」
彼はちょっとだけ、眉をひそめて、
ソフトクリームを舐める。
「...どう?」
櫻「....(もー1回舐める)...
つーかさ、うまいじゃん!!
でも、もともとこけももの味が、
わかんねーし!!」
「だよね!!う~ん、こけももだぁ~
って言いずらい...」
俺たちは、大笑い。
そして、俺はちょっと前から、
彼のある行動にドキドキしている。
ソフトクリームを舐める...彼の舌...
いきなり....爽やか、
からの突然のエロ...
櫻「ごめん!いっぱい食べちゃった」
ソフトクリームを
俺に返そうとする翔さんに、
「翔から、ちょーだい♡」
彼は、ちょっとだけ驚いた顔の後、
テレて笑い、
「しょーがねーなー...♡」
と、あのエロい舌で
ソフトクリームを舐めとり、
俺の顎を上に引く。
そして、始めから少し開けた口から、
こけもも味の舌を差し込んでた。
俺の口の中で絡み合うこけももの味の舌...
(ヤバい!!!こけもも...サイコーじゃん!)
「..はぅ..んん..っつ....」
甘い声が漏れ始めた俺から、唇を離し、
櫻「流石に、ここじゃ、
ダメでしょ~...笑」
俺たちは、また真っ赤な二人乗り自転車を
滑らせ、木立の中を、風になる。
初春の軽井沢は爽やか過ぎるほどで。
でも、俺たちの頭の中は、
もーしわけないけど、邪念だらけ....
(早く、別荘に帰りたい♡)