第13章 幸福
そして、その時が来た。
バッチリ決めてるくせに、
絶対聞いてくる。
...はず。
櫻「どこ行きたい?」
(ほーら、来た)心の中で、
ガッツポーズ俺。
「塩沢湖に行きたい♪」
翔さんは、速攻で答えた俺に、えっ??
みたいな顔をしたけど、絶対いいって...
そう言ってくれる。
いつだって、俺の意見を最優先にしてくれる。
からの~...
二人乗り自転車(赤)なう。
マジ、思ってた数倍楽しい♡
始めは露骨にイヤな顔してた彼も、
サイクリング、
楽しくなってきたんじゃないかな?
機嫌よくなったし...
幸か不幸か、誰も見てないけど、
周りのみんなに言いたい。
『この人、俺の彼氏ですよ~♡
かっこいいでしょ~♡♡
俺んですから!!』
...って♡♡
来てよかった~♪♪
俺は、お節介の相葉さんに、
珍しく感謝していた。
赤い自転車は、から松の間を、
颯爽と抜けていく。
「あっ...翔、あれ..」
櫻「えっ!?...なに?」
「ソフトクリーム...」
櫻「食べたいの?」
「うん♡」
櫻「じやー、買ってくるよ...」
.......
櫻「はい!バニラとこけもも、だって」
「翔のは??」
櫻「カズの少し貰うよ♪」
そう言ってニッコリ笑う翔...
あんまりキラキラしてて、ドキドキするよ!
俺は、彼から目をそらし、
「あげないよ」と憎まれ口。
翔さんは相変わらず、
キラキラ笑いながら言った。
櫻「ぜってー貰う!!」