第13章 幸福
〔櫻井side〕
翌日。
ニノの提案で近くの湖に行く。
湖...と侮るなかれ...
その周りはひとつの街のようで、
小さな店がいくつも連なり、
メンヘンの世界...という言葉が
ぴったりだった。
「マジかよ~///」
メンヘンの世界に似合わない
ため息混じりの言葉を吐く俺...
ニ「いいじゃん♪乗ってみたいんだよ~!!
あれ!!...ちょっとでいいから...」
(そんな上目遣いにお願いしたって、
ダメだけどね.... ......)
「しょーがねーなぁ~♪」
(ニノ、俺がその顔に弱いっての、
知っててやってんだろ~?)
ニ「ホントに??いいの?ありがと♡翔」
(ありがと、ハート♡じゃねーよ...)
こうして俺たちは、
二人乗り自転車に乗ることに...
(よりにもよって、
軽井沢で二人乗り自転車って...
まさか...嵐だよ...俺ら..
ベタ過ぎの上に、男ふたりだぞ!!)
ニノのうれしそうな顔を見れるなら、
って思わないでもないけど...
ニ「早く行こーよ!!
相葉さんに借りたガイドブック見たときから、
乗ってみたいって、思ってたんだよね~♡」
(でたよ...相葉さん...
ここまで、ついて来る////)
いつも『どこ行きたい?』って聞くと、
『翔となら、どこでもいい』
っていうニノが、速攻で決めた行き先。
怪しいと思うべきだったのに...
ニノは、乗り気じゃない俺のことは、
無視して、
自転車のレンタルに行って
手続きをしている。
(覚悟、決めなきゃ...かぁ...)