第17章 初恋がロリコン男である件について【バク】
「…頭痛い…」
「大丈夫ですか?」
デスクの上で、つい頭を抱えて溜息をついてしまった。
心配そうに伺ってくるハオ君に、切り替えるようにして笑顔を返す。
駄目ね、こんなことくらいで頭を抱えてちゃ。
「大丈夫。それよりこれ、教団本部のリナリー宛に送っておいてくれる?」
あの朝のひと騒動の後、一応バクからリナリーへの想いの丈を延々聞いて。
どうせなら実筆の方が納得するだろうと、手書きで手紙も書かせて。
見舞いの花束と一緒にまとめた手荷物を、ハオ君に渡す。
下手に言い包めるより、バクが納得するもので説得した方が、後々面倒じゃないし大人しくなるのも早い。
伊達に30年つき合ってきた訳じゃないから、大方バクの扱い方はわかってる。
「私は警護班の実施訓練に顔出してくるから」
「承知しました。あ、ミアさん。まだ頭が痛むようなら、頭痛薬でも用意しておきましょうか?」
未だ額に手を当てていることに、気遣わせてしまったんだろう。
ハオ君の思慮に御礼を言って、先に警護班の訓練場に向かうことにした。
片手には警備リストも備えて。
さて、向かう間にこれに目を通しておかないとなぁ。