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廻る世界の片隅で【Dグレ短編集】

第17章 初恋がロリコン男である件について【バク】



初恋は実らない、なんて。
何処の偉人が残した言葉かもわからないけれど、名言だと思う。

私が初めて恋をしたのは、満4歳の頃。
自分でも早過ぎる初恋だとは思うけれど、保育園の先生だとか、近所のお兄さんだとか、相手を選ばなければ誰だって通る道だ。
かく言う私も、ご近所つき合いというか、親の関係でほぼほぼ一緒に幼少期を過ごした"彼"に恋をした。

幼少期の甘く率直な想いで「私と結婚して」なんて可愛げのある台詞を吐いたこともある。
でもあの頃はまだ可愛げのあった私を前にして、彼が放った言葉は。






"むりだよ。きょうだいはケッコンできないんだから"






小さい頃から変に頭は回る癖に、変なところで抜けてもいて。
私のことを"家族"としてしか見做していない、無邪気で残酷な言葉だった。

そして私は、齢4歳にして人生初の失恋を経験した。









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