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廻る世界の片隅で【Dグレ短編集】

第15章 Ⓡ◆Boy meets Boy!(神田)



昔はよく「男だったら良かったのに」なんて思っていた

男だったら、もう少し体力もあってひ弱な幼少期を過ごさずに済んだかもしれない
男だったら、もう少し使える奴だと小母さんに目を掛けられたかもしれない
男だったら、もう少し早く黒の教団へ入団できたかもしれない
男だったら、もう少し楽にファインダー仲間の皆と肩を並べられたかもしれない

私の歩んできた人生は、いつも何かしら努力が必要なことが多くて
特に教団は戦争に身を置く職場だから
「私も男だったら」と思わずにはいられなかった

男尊女卑な職場じゃないけれど、どうしても女だというだけで生まれる"差"がある
同期ファインダーである巨漢のバズを、一対一で倒せるまでにも随分と鍛錬が必要だった

女であることが嫌だった訳じゃない
ただただ、男というものに憧れがあった

それだけだ









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