第65章 答え
目の前に来た潤から目を反らす様に俺はまたうつ向いた。
潤「翔」
「………」
「翔」
「な、に…」
潤「俺達話し合いも出来ないの?」
「………」
ゆっくり顔を上げると潤がそっと手を握ってくる。
「ごめん…俺…」
潤「………」
「斗真との事は…本当にごめんなさい。でも…潤にどう話していいか分からなくて。話すつもりだった。あんな形で聞かせたくなかった。それは…本当…」
潤「………うん」
言葉を紡ぎながら、自然と俺も潤の手を握り返す。
潤「俺は話したよ。自分の過ちを。その上で自分の気持ちを翔にちゃんと伝えたつもりだ。でも翔は俺を避けようとしてる。ちゃんと話して。じゃないと夫婦じゃないだろ」
「………うん」
潤「近い内に…家に来て。ちゃんと話し合わなきゃ。俺達どうするのか。どうしたいのか。話したい」
「うん。ごめんなさい。ちゃんと…話す」
潤「連絡して。待ってるから」
「はい」
そう言うと潤が俺の手を離す。
潤「ありがとう」
それだけ言うと、潤はもう口を開かなかった。