第65章 答え
その日の収録は何とか乗り切り、無事に3本録りを終えた。
けれどやっぱり…潤は極端に話す事が少なくなってしまって。
相葉くんとにのが頑張って番組を盛り上げてくれた。
潤「それじゃお疲れ様」
楽屋に戻るといち速く着替えを済ませた潤が鞄を背負う。
和「待ってよ潤くん!」
潤の動きがにのの声で止まった。
和「このまま帰るつもり?俺達に何の説明も無しに」
智「かず」
黙ってドアノブを掴んでいた潤がゆっくりと振り返る。
潤「………今日はありがとう。本当に助かった。次からは気を付けるから」
和「そうじゃなくて!貴方達夫婦の事だよ」
潤「夫婦の事は…夫婦でどうにかする。心配してくれてありがとう」
和「何それ。『お前達には関係ない』って言いたい訳?」
雅紀「ちょっ。にのちゃん言い過ぎだから…」
和「相葉さんもさとしも何も言わないから俺が言ってるんでしょ!」
「にの…」
和「翔さんも翔さんだよ。何で俺に何も言ってくれないの?そんなに俺頼りない?それとも面倒臭い?」
「そういう訳じゃ…」
にのが頼りないなんてそんな事思ってもない。
潤の事だって…誰よりも1番に話したいのはにのなんだ。
でも…話せない。
あんな身も心も八つ裂きにされる様な事。
にのが知ったら…どうなるか。
にのだからこそ…言えなかった。
「ごめん…にの」
今の俺には…それが精一杯の返しだった。