第10章 誕生
ー翔sideー
………また言ってしまった。
本当は言いたくないのに。
真央ちゃんの事。
分かってる…つもりなのに。
感情が溢れ、一気に捲し立てると潤に抱き締められた。
潤「馬鹿だな…」
「………ごめんなさい」
潤「でも…ごめんな。不安にさせて」
ちゅっとおでこに潤の唇が落ちる。
潤「翔を愛してるよ。太陽が産まれて…また翔へと愛が深まった。こんなに可愛い天使を産んでくれて…ありがとう」
「………潤…」
潤「不安になったら吐き出して。その度に俺は愛してるって言うから。何度でもね」
「………うん…」
潤「愛してるよ。翔」
「うん。俺も愛してる」
潤「じゃもう寝よ?まだ3時だよ」
「そうだね」
俺達はそのまま布団に潜り込んだ。
潤「翔…」
潤が俺を抱き締め、肩に顔を埋める。
潤「翔の匂い…赤ちゃんのミルクの匂いする」
「ふふっ、太陽の匂いだね」
潤「良い匂い…」
「くすぐったいって」
潤「良いじゃん…」
スルスルと潤の腕が俺の身体を撫で回す。
「じゅーん…寝るんでしょ?」
潤「目ぇ覚めちゃったもん…ね、翔…シよ…」
耳元で囁かれ、潤の手がシャツの中に入る。
「ん…」
あー…駄目だ…もう。眠い。
潤「あれ、翔…翔?」
潤の声を聞きながら、俺は睡魔に負け、意識を手放していったのだった。