第64章 嵐の夜に
翔マネ「櫻井さん。昨日あれから大丈夫でしたか?」
「おはよう。大丈夫だよ」
翔マネ「それならいいんですけど。松本さんから連絡があったんですよ」
「え…そっちにまで?」
翔マネ「携帯繋がらないって…心配してました」
「そっか。あの後切ったから…」
翔マネ「………井上さんに何か言われたんですか?」
「………何も無いよ。話し合っただけ」
翔マネ「本当に?」
「うん」
ミラー越しにマネージャーに頷きながら鞄に入れたままのスマホの電源を入れると、沢山の数の着信と履歴とメッセージ。
その殆どが潤からで。
中にはメンバーからのもあって、皆に連絡取って探してくれたんだなと少し嬉しかった。
『連絡出来なくてごめんなさい。スマホの電源切れたままでした。今から仕事に行きます』
潤にそうメッセージを送ると…直ぐに着信が掛かってくる。
黙ってその画面を見つめる。
翔マネ「………取らないんですか?」
「………話の内容は分かってるから」
翔マネ「だったら尚更出た方がいいですよ」
「分かってるけど…」
翔マネ「昨日は上手く誤魔化せましたけど今日はそういかないですよ。下手したら松本さん現場にますよ」
「………」
翔マネ「皆さん心配してます。勿論俺も含め社員全員」
「………ありがとう。そうだよね。その時は別の部屋何処か用意して貰っていいかな。ちゃんと話す」
翔マネ「勿論手配します」
「ありがとう」
そして俺は鳴り続ける電話に漸く応答した。