第64章 嵐の夜に
斗真の家を出た後、タクシーで実家へと戻った。
「ただいま…」
靴を脱いでるとバタバタと走って来る音。
見なくても母さんだと分かった。
翔母「翔。何処に行ってたの!?」
「ごめんなさい。ちょっと」
翔母「太陽も心配してたし…潤くんから連絡あったのよ」
「………そう」
翔母「『そう』って…何があったの」
「母さんごめん。もうすぐマネージャー来るから準備しなきゃ。それと…」
翔母「何?」
「潤と別れようと思う」
翔母「………どういう事?」
翔「潤とちゃんと話し合って…決まったら話すよ。でも俺は…そのつもりだから」
翔母「本当に別れるの?」
「うん」
翔母「夫婦の事にとやかく口は出さないわ。でもね、太陽の気持ちを考えなさい。貴方達は親なのよ。その選択が夫婦にとって最良の答えでもね、子供には一生残る傷を付けるの。その事ちゃんと考えなさい」
「………」
翔母「先ずは。潤くんと話しなさい。心配してたんだから。その事は謝りなさいね」
「………はい」
頷いた後、俺は部屋へと戻り準備をした後直ぐに仕事へと向かった。