• テキストサイズ

君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第64章 嵐の夜に


ー翔sideー


寝室に明かりが差し込んで来たのに気付き、漸く朝を迎えたんだと気付いた。


耳元に掛かる斗真の寝息。


後ろから俺の胸元に手を回して眠る斗真の腕に自分の腕を重ね、カーテンの隙間から見える空を何時間も見つめてた。


ぼんやりと眠れずにいたら朝が来てしまった。


斗真と寝た。
生まれて初めて、潤以外の人と…身体を重ねた。
寄り添って朝を迎えた。


もう、潤とは終わった。
勢いで終わりにしてしまった。


けれど…斗真が居なかったら俺は今頃どうしてたか分からない。


斗真の傍に居たかった。
斗真に縋りたかった。


斗真に抱かれるまで崩壊しそうだった心。
今は…驚く位穏やかだった。


別れる事を決めたとはいえ、俺は既婚者で。
崩壊しそうな位、潤を愛していて。
キスした時はあんなに後悔して泣いたのに。


俺の心は穏やかだった。
波風ひとつ立たない海の上を…小さな小舟で漂ってる気分だった。


斗真「う、ん…」


目が覚めたのか、後ろで斗真がモゾモゾ動いた。


黙ってると、斗真が俺の肩にキスをして、密着してくる。


「おはよ」


寝起きの掠れた声が聞こえた。


「おはよ…」


肩から背中に優しく触れる様なキス。
振り返ると…唇にも優しく降りてきた。
/ 1278ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp