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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第64章 嵐の夜に


ー斗真sideー


暗がりの部屋の中、ぼんやりと窓の外を見つめる。
雨風が強くなり、窓に叩き付ける音が強くなっていく。


夜のニュース番組を見ながらぼんやりと進まないお酒を飲み続ける。


「うっさいなぁ…」


1人静かな夜は特に雨風の音がよく響く。


「寝ようかな…」


寝るにはまだかなり早い時間だけど。
でも…翔くんからの電話の事もあり、もう何もする気になれない俺には寝るしか無かった。


グラスを取り、立ち上がったと同時にインターホンが鳴る。


「え?」


慌ててモニターを見て、俺の心臓が鼓動した。


「翔…くん?」


そこに映し出されたのは、雨に濡れながら涙を流す人。


「翔くん?どうした!?」


翔『っっ…ぐすっ…ごめん…斗真…』


「謝らなくていいから。直ぐに開ける」


ボタンを押し、直ぐに玄関へと向かう。


勢いよく開けると…俯いた翔くんがそこに、立っていた。


「何でこんな…」


翔くんの腕を引いて玄関を閉める。
そのまま中に入ろうとすると翔くんが首を横に振った。


「どうしたの翔くん」


翔「ごめ…濡れるから…」


「そんな事気にしなくていいんだ。いいから早く」


翔くんの手を引いて中に入ろうとした。
けれど…


「翔くん…」


腕の中に飛び込んで来た翔くんが…しがみついて離れない。


翔「っっ…う…ぐすっ…ごめんなさい…ごめ…」


「………」


俺の腕の中で咽び泣く愛しい人を…強く抱き締めた。
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