第64章 嵐の夜に
「嘘…でしょ」
真央「貴方が自分勝手な事しなければ…妻になってたのは私だった。彼の子供を産んでたのは私だった。貴方が私の人生壊したのよ」
「そ、んな…潤はそんな事…」
喉がカラカラする。立っていられなくて、俺は壁に持たれた。
真央「潤くんは知らない。私と事務所の数人しか知らない事です」
「どうして…そんな大事な事…」
真央「自分を捨てて他の人を選んだ人に妊娠してるなんて言えると思う?」
「………」
真央「言える訳ない。潤くんなら言えば戻って来てくれるって分かってた。結婚してくれるって分かってた。でもそんな事出来ない。違う人を見てる人と結婚なんて出来ない。20歳の私には1人で産む勇気もなかった。だから…だから…」
「………」
真央「どっちが最低なの?ねぇ、貴方と私どっちが最低!?」
泣きながら彼女が掴みかかってくる。
真央「答えてよ!答えてっっ…」
「………ごめんなさい…ごめんなさ…」
そのまま俺は…ズルズルと床に崩れていった。