第64章 嵐の夜に
収録の後、別番組の打ち合わせの為に俺は急いで着替えを済ませた。
潤「翔」
呼ばれて振り返ると、潤が目の前に立っていた。
潤「打ち合わせ遅くなりそう?」
「いや、そんなには。多分1時間位で終わりだと思う」
潤「そっか。頑張って」
「ありがとう」
そう返すと潤は優しく微笑んでくれた。
「終わったら…連絡していい?話がしたい」
潤「いいよ。待ってる」
「ありがとう」
潤「じゃあお疲れ」
「お疲れ様」
潤がそっと俺の頬に触れた後、楽屋を出て行った。
「それじゃ俺もお先に。お疲れ様」
智雅和「お疲れ様」
和「これからまた雨強くなるみたいだから気をつけてね」
「ありがとう。皆も」
手を振って楽屋を後にした。
そのまま、上の階の打ち合わせ室を使う為マネージャーとエレベーターで移動する。
翔マネ「出来るだけ早く終わらせた方がいいですね。風も強くなるみたいです」
「そうなの?うわー…」
マネージャーが見せてくれたスマホの画面を見つめ、溜め息を付く。
目的の階までの途中、エレベーターが止まり、扉が開く。
翔「………あ…」
乗って来たのは、顔を見たくも無かったあの人だった。