第63章 修復
潤「なぁ翔」
「ん?」
潤に呼ばれ、靴を履きながら振り返る。
潤「ディズニーランド…行かないか」
「………あ…」
潤「今なら…行ける?」
そっと潤が俺の手を取った。
潤「一昨日太陽と電話で話した時も言われたんだ。『いつ行くの?』って。太陽の為でもあるけど…俺達が…翔がもう少し歩み寄ってくれるなら」
「………」
もう行く事はないと思っていた。
太陽と約束したディズニーランド。
今日…俺達は少し、いやかなり前進した様に感じた。
このまま上手くいけば、そう思った。
また…親子3人と1匹で笑い合える日が来るなら。
俺は…素直に頷いた。
「行くよ。行きたい」
潤「………良かった」
ホッと潤が微笑んだ。
「マネージャーにスケジュール確認して貰おう。太陽に話しておくから」
潤「分かった。楽しみにしてる」
「………俺も」
微笑み返すと潤の顔が近付き、そっと触れるだけのキスが落ちてくる。
潤「じゃあまた」
「うん。また」
潤に見送られながら俺は自宅を出た。
仕事に向かいながら噛み締めた。
もう一度、潤と寄り添えるかもしれない喜びを。