第63章 修復
潤の腕の中。
こうして居ると、やっぱりこの腕が居心地がいいと再確認する。
ずっとこうしてたい。
でもやっぱり頭に浮かぶ彼女の顔。
潤「翔」
耳元で声が聞こえる。
潤「斗真ともう逢うな。あいつに触れさせたくない。絶対に嫌だ…」
「………」
潤「二度と…逢うな」
「………逢わない。潤がそう言うなら」
そう言うと…潤が少し驚いた表情で俺を見つめる。
「………ごめんなさい。潤との事棚に上げてこんな事して。もう…斗真とは二人きりで逢わないから。彼にもそう伝える」
潤「………ありがとう」
潤が柔らかく微笑み、また俺を抱き締める。
ゆっくりと…背中に手を回した。
潤の事許せるか分からない。
でも俺は…潤を愛してる。
斗真とあんな事間違ってた。
もう斗真とは…逢わない。
斗真とあれ以上の事にはなれない。ならない。
潤を愛してるから。
潤が俺から離れ、顔を上げると俺達は見つめ合った。
そのまま近付いてくる潤を見つめながら…ゆっくりと目を閉じる。
俺が向かい合わないといけないのは夫なんだと…潤の唇を感じながら思っていた。