第63章 修復
ここに戻って来るのは何年振りだろう。
そう思いながらリビングの扉を開けた。
潤「お帰り」
「………ただいま」
潤「夜中に呼び出してごめん」
「大丈夫」
そう言って潤の隣に座ると潤が身体ごと俺の方を向いた。
潤「単刀直入に聞くけど昨日斗真と居た?」
「え…」
潤「やっぱり居たんだ」
潤が大きく溜め息を付く。
潤「仕事終わってあんなに急いで帰ったのはそれが理由?」
「………」
潤「俺達今世間で何て言われてるか知ってるでしょ。もう少し気を付けて行動しないと」
「………何で潤にそんな事言われなきゃなんないの」
潤の勝手な言い分に怒りが込み上げる。
「元カノと一晩過ごしたのはどこの誰だよ」
潤「それは今関係ないだろ?」
「………関係ない?彼女との事が関係ない?」
潤「………そういう意味じゃなくて…」
「誰のせいでこんな事になったと思ってんだよ!!」
声を上げながら立ち上がる。
潤「翔ごめん。でも…」
「お前が彼女と一晩楽しんだりしなきゃこんな事にならなかったんだろ!?そのせいで俺達こんな関係になって…太陽巻き込んで!お前があんな事するから!!誰に頼ればいい?斗真はいつも俺の気持ちに寄り添ってくれた!行き場のない気持ちを分かってくれてた!!お前なんかより余っ程優しいんだよ!だから俺は…」
一気に捲し立て、我に返る。
地雷を…踏んでしまったかもしれない。
潤「………だから俺は?翔…何だよ」
ゆっくりと潤が立ち上がる。
潤「翔。斗真と何した」
潤がゆっくりと…俺の腕を掴んだ。