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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第63章 修復


斗真「分かった。はい、お疲れ様です」


通話を終えた斗真が振り返る。


「ごめん…俺やっぱり帰る」


服をぎゅっと掴みながら立ち上がると腕を掴まれた。


斗真「待って」


「ごめんなさい…」


斗真「謝らないでいい。ごめん急ぎすぎた」


そのまま引き寄せられ、斗真の腕の中に収まった。


斗真「翔くんが嫌がるならしないよ。ただ…今夜は傍に居て」


「………分かった」


斗真「それと…ごめん」


「え…」


顎を引かれると、斗真の顔が目の前にあった。


斗真「キスだけは…止められない」


「ん、う…」


ゆっくりと重なる唇。


「はぁっ、ん…」


ちゅるり、と音を立てまた入ってくる斗真の唇。
ぎゅっとしがみつくとそれに安心した様に斗真の舌が俺の口内を動き回った。


「ん…ふ…」


絡み付く舌と唾液。
口内に広がる斗真の味。
飲み込みきれない雫が顎につたっていく。


少しずつ…斗真との距離が近づいて行く。


潤を愛してるのに。
こうして他の男の腕の中に居ても…考えるのは夫の事だけ。


逃げてちゃ駄目なんだ。
けれど…考えると心が抉られる。

斗真と居ると…ほんの少し楽になる気がする。


斗真とのキスが…潤の笑顔を頭の片隅に追いやってくれる。
消える事はないけれど。
楽になる。


楽になりたい。
そんな想いが…こんな事に繋がっていく。


罪悪感を…消していく。
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