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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第63章 修復


「お邪魔します…」


斗真「どうぞ。ゆっくりして?」


「ありがとう」


リビングに入るとソファーに促され、斗真はキッチンへと向かった。


最後にここに来たのはいつだろう。
結婚前にはよく3人で飲んだりもしてた。
子供が生まれてからは斗真がうちに来る事が多くて…とんと来なくなったな。


ソファーに座り、ぼんやりしていると斗真がコーヒーカップを片手に持って来た。


「ありがとう」


斗真が隣に座り、並んでコーヒーを飲んだ。


斗真「潤とは…とう?」


「うん…連絡はよく取り合ってるよ。今は離れた方が…いい関係になってるのかもしれない」


斗真「そっか」


「ごめんね。外で会えなくて」


斗真「いいよ。報道の事もあるから今外で会ったら何言われるか分かんないしね」


「………」


斗真「俺は…構わないけど」


「………」


コーヒーのカップが置かれ、ゆっくりと斗真の手が重なる。


斗真「まだ…早い?」


斗真の言葉に俺はどう答えていいか分からずに俯いてしまった。


斗真「ごめん。本当は…翔くんの傍に居るだけでいいって思ってたのに…こうしてると…欲が出ちゃって…」


手を握る力が強くなる。


「………斗真…」


斗真「ん?」


「ごめん…やっぱり俺は…潤の事忘れるなんて出来ない…」


斗真「分かってる」


斗真の手がゆっくりと頬を包む。


斗真「潤の事愛してる翔くんでいいんだ。俺の事男として見てくれたらそれでいい。大切にするから…」


斗真の親指が…唇に触れる。


斗真「絶対泣かせないから…」


あんなに後悔したのに。
斗真の言葉に…瞳に。


流されてしまう。


目を閉じると…ゆっくりと斗真が重なってきた。
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