第63章 修復
ー翔sideー
『松本潤不倫』
『妻・櫻井翔の居ない夜に元カノとの熱い宮城の夜』
『夫の不貞の最中、1人で子育ての夜』
『既に別居中か』
色んな見出しの付いたネットニュースが世間を騒がせていた。
事務所のお陰か、テレビなんかのメディアで取り上げられる事はほぼなく、グループも個人も普通通りの仕事を淡々とこなす日々が続いた。
「それじゃお先に。お疲れ様」
和「あ、翔さん…」
にのに声を掛けられ、楽屋の扉を開けながら振り返る。
「何?」
和「あ、いや…ごめん。お疲れ様」
「お疲れ様」
少し悲しそうな笑みを浮かべるにの。
楽屋の奥から智くんと相葉くんが手を振った。
その隣で潤も…軽く手を振っていた。
手を振り返した俺はスマホをいじりながらエレベーターに乗り込み、地下駐車場まで向かった。
今日は木曜日。
収録を終えて楽屋に戻ると斗真から『地下駐車場で待ってる』と連絡が入っていた。
断ろうとも思ってた。
でも迎えに来てくれた斗真を追い返す事は出来なくて。
地下駐車場に入ると近くに止まっていた車にパッシングされる。
見ると運転席から斗真が手を振った。
俺は急いで近付くと、後部座席に乗り込んだ。