第63章 修復
にのとの撮影は終始和やかな空気で進んでいった。
予定より早く終わった俺達は、着替えた後楽屋で話する事になった。
何から話そう。
考えてると、にのが意を決したのか、大きく息を吸い込んだ。
和「………翔さん」
「ん?」
和「俺…翔さんに黙ってた事があるんだ」
「え…?」
顔を上げるとにのが涙目で俺を見ていた。
「何…どうしたの…」
和「………」
「にの」
和「俺…潤くんと井上さんの事…知ってた」
「………は?」
驚いて暫く声が出なかった。
和「こんな事になるなら言えばよかった。本当に…ごめんなさい」
「………いつから知ってたの」
和「………あの日の朝…さとしも俺も早く目が覚めて…人も居ないし散歩でもするかって…それで散歩して…戻って来たら…エレベーターの前に井上さんと潤くんが…」
「そんな…ずっと黙ってたの?」
和「ごめん…」
信じられなかった。
潤とあの人が寝たその日の朝…既ににのと智くんは知ってたなんて…。
「相葉くんも…知ってたの?」
和「………俺達よりは…後だけど…」
「皆…知ってたんだ。俺だけ…」
和「翔さん…ごめんなさい…!」
にのが泣きながら俺の手を掴んだ。