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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第63章 修復


潤と一緒に階段を上ると奥の部屋から太陽の笑い声が聞こえる。


階段を上り終えた潤がふと、立ち止まった。


「潤。どうしたの?」


潤「………ディズニーランド」


「え?」


潤「今度行かないか?太陽楽しみにしてた」


「………でもこんな時に…」


潤「こんな時だからこそ行きたい」


潤の真剣な眼差しに…首を横に振るなんて出来なくて。


「………分かった」


潤「ありがとう」


そして潤がまた歩き始める。


1番端の部屋が昔俺が使っていた部屋。
そこに入ると太陽が虎鉄と遊んでいた。


虎鉄「にゃー!」


「おっと…」


勢いのまま、虎鉄が俺に飛びかかり抱き着いてくる。
そのまま抱き締めるとゴロゴロと擦り寄ってくる。


太陽「お話終わった?」


「うん。あのね太陽…ちょっとおいで」


手招きすると…太陽が俺達の前に立つ。
しゃがんで目線を太陽と合わせた。


「あのね太陽」


太陽「どうしたの?」


「………」


無邪気な子供の笑顔を前に、俺は言葉に詰まった。


「太陽…」


俺の気持ちを察したのか、潤が太陽の手を握る。


潤「太陽ごめんな。暫くの間パパは皆と離れて暮らすんだ」


太陽「パパが?何で?」


潤「………少し離れて暮らした方がいいんじゃないかって。勿論また一緒に暮らすよ。でもその為に…今は離れてみようって話したんだ」


太陽「………」


太陽が唇を噛んで俯く。
虎鉄がちょんと手を伸ばした。


太陽「またお家に帰れるんだよね」


潤「勿論」


太陽「分かった」


言い聞かせる様に、太陽はゆっくりと頷いた。


「ごめんね太陽…」


悲しみを堪え、受け入れてくれた息子を俺はありったけの愛で抱き締めた。
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