第63章 修復
潤「お帰り」
「………ただいま」
リビングに入ると、潤が父さんと向かい合って座っていた。
父さんは腕組みをしながら俺を見つめる。
翔父「お帰り翔。そこに座りなさい」
「………はい」
潤の隣に腰掛ける。
翔母「太陽。虎鉄と二階で遊んでらっしゃい」
母さんが太陽に虎徹を抱かせ、促す。
太陽「なんで?ぼくパパとママといっしょにいる!」
翔母「太陽…」
翔「太陽ごめんね。後で行くから。待ってて?」
そう声を掛けるとシュンと俯いた。
太陽「………やくそくだよ」
潤「勿論。必ず行くから」
太陽「うん」
太陽は虎鉄と二階に上がって行った。
母さんが父さんの隣に座る。
少しの沈黙の後、潤が口を開いた。
潤「………今回の事は…本当に俺の責任です。ご迷惑お掛けして…申し訳ありません」
「………」
翔父「翔からは…理由ははっきり聞いてない。ただ『潤と別れる事になると思う』と…それだけ聞いた」
翔母「一体…何があったの。夫婦の事はどちらかにだけ責任があるとは思えないもの。それに貴方達…上手くいってたじゃない」
「………」
潤「俺は…離婚するつもりはありません。そんな事…考えたくもない。ただ…離婚されても仕方の無い事だと…」
潤と両親との会話を…俺は黙って聞いていた。