第63章 修復
太陽「ママお帰りなさい!」
「太陽ただいま。ごめんね直ぐに迎えに来れなくて」
太陽「もうかぜは平気なの?」
「うん。熱も引いたし大丈夫だよ」
翌日。
実家に太陽を迎えに出向いた俺を明るい笑顔で迎えてくれた。
潤との事も…きっとこの笑顔があれば…。
そう思うけれど。
太陽に伝えると笑ってくれなくなるかもしれない。
そう思うと申し訳なくて…太陽を強く抱き締めた。
太陽「ママーくるしいよ」
「いいの」
奥から虎鉄を抱っこした母さんがやって来た。
「ただいま母さん」
翔母「お帰りなさい。具合はどう?」
「もう平気」
翔「大丈夫。迷惑掛けてごめんなさい」
翔母「いいのよ。それより…」
「………何?」
翔母「潤くんが来てるのよ」
「………え…潤が…?」
そこで俺は…ようやく潤の靴が揃えられている事に気付いた。
翔母「ちゃんと話し合いなさい」
「………」
奥にあるリビングへの扉を見つめた。
あの先に…潤が居る。
脳裏に浮かぶ…昨夜の出来事。
出来ればまだ…逢いたくなかった。
翔母「翔」
「あ、うん…分かった」
太陽の手を握り締めながら…俺は実家へと足を踏み入れた。