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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第62章 Distance


ー翔sideー


頭が痛い。
身体が重い。
それに加えて寒気も襲ってきた気がする。


「ふぅ…」


無意識に出てしまう何度目かのため息。


翔マネ「櫻井さん大丈夫ですか?」


「平気。慣れない事すると腰にくるね」


腰を叩きながら笑って誤魔化そうとしたけどマネージャーには通用しないみたいで。
徐に手が俺のおでこに触れた。


翔マネ「やっぱり…熱あるじゃないですか」


「………そう?気付かなかったなぁ」


翔マネ「それだけ顔色悪いのに嘘付かないで下さい」


「嘘なんて…付いてない」


翔マネ「とにかくもう少し座ってて下さい」


マネージャーに促されてテントの中まで連れて行かれる。
そこには折り畳み椅子しかなくて。
海外の…しかもこんな田舎じゃ仕方ない。


翔マネ「もう少しの辛抱ですから」


「だから平気だって…」


翔マネ「動かないで下さいね」


そう言って現地スタッフの元まで走って行った。


パプアニューギニアに到着して直ぐ、不覚にも体調を崩してしまった。


潤との事でこんなになっちゃったのなら本当に情けなかった。
それでも仕事は山積みだ。


ほとんどが山奥でのロケ。
しんどい身体に拍車が掛かっていく。


帰国まで数日。
頑張らないと…。


マネージャーから渡された水を飲みながらぼんやりと空を見上げた。
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