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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第62章 Distance


翔「ふぅっ…っっ…」


「翔に飽きてなんかない。気持ちはずっと変わらずに愛してる…。俺が悪い。俺が…最初にもっとハッキリ言えば良かった」


翔「ぐすっ…」


「不妊治療なんて翔の身体に負担が掛かる事…したくなかった。そんな事してまで子供授かっても喜べる自信無かった。でも…翔が頑張るって…欲しいって言ってくれた。何度も…子供駄目で…その翔の辛い気持ち…側で見てたから…。辛い気持ちを消すには…また授かるしかないって。それを支えるのが夫としての役目なんだって…そう思ってた。でも…どんどん子作りへの気持ちが…冷めていってた。だから翔に勝手に距離作って…限界だったんだ。自分が…こんなに情けなくて弱いなんて…思わなかった」


翔「だから…『欲しくない』って…言ったの…」


「………ごめん」


翔「………」


「それでいいって思った筈なのに…それも後悔した。もうどうしていいか分からなかった。その時…宮城のライブに真央が来た。それで…好きだって…言われた。お酒のせいにしたくないけど…酔ってたのもあって…気付いたら…」


翔「………」


「何て事したんだって…後悔した。真央には直ぐに伝えた。『過ちだった』って。考えさせてって言われたけど…でももう逢うつもりは無かった。この間のあの日までは」


翔「………何で逢いに行ったの。俺に嘘付いてまで」


「ちゃんと…過去の事謝りたかった。ケジメ付けたかった。別れた後…逢うべきじゃなかった。そう思ったから…もう二度と逢わないって話した」


翔「………そう」


いつの間にか止まった涙を拭いながら…翔が真っ直ぐに俺を見つめた。
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