第61章 Confession
翔は俺を見据えたまま黙っていた。
沈黙が重い。
「翔…何か言ってくれ…」
すると…翔はクスッと笑った。
翔「何か言って欲しい?」
「………うん」
翔「じゃあ言うよ。良かった?」
「は…?」
翔「答えろよ。彼女とのセックス良かった?」
「違う…そんな事…」
翔「何回イった?避妊はした?してない?」
「翔…そんな事聞いて欲しいんじゃない」
翔「潤が言ったんだろ。だったら答えろよ。久し振りの元カノとのセックスは良かったか聞いてんの」
「翔…!」
翔の手を掴み、抱き寄せようとした。
けれど…身体の代わりにやって来たのは翔の右手。
そのまま頬を弾かれた。
翔「答えろっつってんだよっっ…!!」
「………」
翔「良かったんだろ?だからまた逢いに行って来たんだろ?気持ち良かったんだろ?気持ち良かったって言えよこの裏切り者っっ!!」
「翔…違う!違うんだ…」
翔「違う?じゃあ何処に行ってたんだよ。彼女の家じゃない?」
「………行った。でも…」
翔「ほら!行ったじゃんか!ははっ…何が違うんだよ…ウケる」
翔が急に声を上げて笑い出した。
けれど…瞳からはボロボロと涙が溢れ始めていた。
翔「俺馬鹿だよな…全然気付かなかった。ふふっ、まさか…元カノに寝取られるなんて…そんな事思わなかっ…」
「翔…!」
たまらずに俺は無理矢理翔を抱き締めた。