第61章 Confession
「ただいま」
玄関に入ると廊下は電気が付いていて。
リビングの開いた扉からは明かりが漏れていた。
扉開いてるなら声聞こえた筈なのに…また寝ちゃってるのか?
靴を脱いでそっとリビングに入ると…翔は寝てなかった。
「翔起きてたのか。ただいま」
翔は…テレビも付けないまま、特に何をしてる事も無く、ソファーに座っていた。
テーブルの上にはコンビニの袋が置いてあった。
「翔…どうした?」
顔を覗き込むと…翔はゆっくりとこちらを見つめる。
「え?翔?どうした?何かあった?」
肩を掴むと…ゆっくりと翔の手が俺の手を掴む。
そのまま肩を掴んだ手を離された。
「翔…?」
翔「ねぇ…潤」
「うん、何?」
虚ろな瞳で俺を見つめる翔。
ゆっくりと口を開いた。
翔「………井上さんと寝た?」
「………え?」
翔「井上さんと寝た?宮城で」
「………何…」
翔「聞いてるの。セックスした?してない?」
ゆっくりと翔が立ち上がる。
「………」
どうして…何で…
心臓がバクバクと音を立てた。
急激に喉が渇く。
翔「潤…答えて」
何で翔が知ってるのか。
でもそれより…翔は知ってしまった。
答えないといけない。
覚悟を…決めろ。
俺は大きく息を吸った。
「………ごめん…翔」
翔「………」
「真央と…寝た」
翔は…黙って俺を見つめていた。