第61章 Confession
ー翔sideー
太陽「ママこんどはどこにいくの?」
年明けの海外取材の準備をしてると太陽が抱き着いてくる。
「んー?今度はパプアニューギニア」
太陽「パプ…?」
「ふふっ、パプアニューギニア。ここだよ。太陽が住んでる国は?」
太陽「んと、にっぽん!」
「そう。で、パプアニューギニアはここ」
太陽「わぁ…」
スマホで検索して太陽に教えた。
「ここにね、昔戦争で亡くなった日本の人達が沢山眠ってるの。日本に帰りたくても帰れなくてね。それを帰してあげるお仕事してる人が居るんだ。ママはそのお手伝いに行くの」
太陽「ふぅん…」
「ママのお爺ちゃん…太陽の大爺ちゃんもその仕事やってたんだよ」
太陽「ぼくもいきたい!」
「もっと太陽が大きくなってからね。パパと虎鉄と…お留守番しててね?」
太陽「はぁい…」
「あ、もうこんな時間だ。寝ないとね」
太陽を寝室に連れて行き、布団に寝かせる。
太陽「ママ…」
「ん?」
太陽「こんどはいつパパとおでかけできるの?」
「そうだなぁ…来年かなぁ」
2週間程で始まるツアー。
毎年の事だけど…それが始まればまた全国5都市を回る。それに加えて年末年始の番組の収録。
朝から晩まで仕事詰めで忙しい。
太陽はほとんど実家に預ける事になる。
太陽も小学生になり、それが分かってくる年になった。
きっと寂しいんだろう。本当に申し訳ない気持ちになる。
弟か妹が居ればまた違ったんだろう。
でも…出来なかった。
「じゃあ…いい子にしてたら旅行行こうか?」
太陽「うん!いい子にする!」
「どこに行きたい?」
太陽「うーん、ディズニーランド!」
「分かった。行こう」
太陽「やくそく!」
「約束」
太陽と指切りげんまんすると嬉しそうに目を閉じた。
いつまでも飽きない息子の寝顔を俺はずっと見つめていた。