第61章 Confession
どれ位時間が経ったのだろう。
真央と抱き合ったままソファーに腰掛けて。
止まらない真央の涙を拭いながら…ただ、真央を抱き締めてた。
真央「………離れたくなかった…」
沈黙が続いていた中、真央が口を開く。
真央「あの時…『行かないで』って…『そんな自分勝手な人のどこがいいんだ』って…言いたかった。別れたくなかった。でも…それでもきっと潤くんは私と別れる。櫻井さんの元に戻るって…分かってた。分かってたから…友達で居たかった。せめて友達で居られれば…何度だって逢えるって…現に貴方はそうしてくれた」
「うん」
真央「でもそのお陰で…ずっと…忘れられなかったの。今でも…潤くんが好き…」
「………」
真央「ごめんなさい…櫻井さんに言うなんて…あんな事。そんな事…しないから。だから…何もしなくていいから…側に居て…」
泣きながら俺にすがる真央を抱き締め返す。
真央をここまで追い詰めたのは俺だ。
ちゃんとけじめを付けるべきだった。
俺のせいで…真央が傷付いた。
翔だって…ずっと傷付いてきた。
俺だけ…何もしてない。
俺の責任なのに。
俺は…最低だ。
「ごめんな真央。もう逢えない。俺の事…憎んで。憎んで忘れてくれ」
真央「それが出来たならこうしてない…!」
「分かってる。でも…忘れてくれ。幸せになってくれ。それだけを…俺は願ってるから」
真央「っっ…」
シャツが彼女の涙で濡れ続ける。
ごめん…真央。
俺はそう何度も心の中で呟いた。