第60章 Prelude to collapse
カチャッと開く扉。
布団を被ったままでいると足音が静かに近付いて来る。
潤「翔もう寝た?」
「ううん…」
そう言うと潤が布団に入って来る。
太陽を挟んで川の字になった。
「………潤」
潤「ん?」
「俺の事…愛してる?」
潤「当たり前だよ。翔しか愛してない」
「俺も潤だけだよ…潤だけ」
潤「どうした?」
潤が手を伸ばして俺の頬に触れる。
その手にそっとキスをした。
「潤…ぎゅってして?」
潤「いいよ」
太陽ごと抱き締められ、太陽と潤の熱を感じた。
真央ちゃんと何かあった?
そう聞きたかったけれど…聞いちゃいけない気がした。
聞くと後悔しそうな気がして…。
俺に隠れて連絡をしていた。
きっと…理由がある筈なんだ。
だって…潤は俺の事愛してくれてる。
潤「おやすみ…翔」
「おやすみ潤」
久し振りに抱き合って眠る事が出来る。
誰にも邪魔させない。
絶対。
これからもずっと…。
潤から離れない様に。
しっかり抱き着きながら俺は目を閉じた。