第60章 Prelude to collapse
「ん…」
揺れる振動に目を覚ますと潤の腕の中。
「潤…?」
潤「起きた?」
いつの間にか寝室に移動していて…丁度ベッドに寝かされたとこだった。
しっかりパジャマも着せられていて。
「ごめん…俺寝ちゃった…」
潤「いいんだよ。着替えて来るから待ってて」
ちゅっと優しいキスが降りた後、潤は静かに出て行った。
隣を見ると太陽はぐっすりと熟睡していて。
小学生になって太陽の部屋も開けてベッドもあるのに、結局ほとんど毎日一緒に眠っていた。
今日…斗真と潤を裏切ってしまった。
そして俺のせいで…斗真と潤の関係に亀裂が生じてしまった。
それでも俺は…潤とやっと心から愛し合えて幸せを感じていた。
酷い人間だって分かってるけど…今は潤との事だけで頭が一杯だった。
「潤…まだかな…」
5分経っても潤が戻る気配はない。
早く潤に抱き締められたかった俺は…だるい身体を引きずって寝室を出た。
リビングに近付くと声がする。
どうしたんだろう…電話かな?
ドアノブに手を掛けた俺の手が次の潤の言葉で止まった。
潤「真央…また電話するから。会って話そう。頼む」
え…?
真央…?
潤「頼むからそんな事言うな。話せば分かるだろ」
必死に取り繕うとする潤の声。
俺は…最後まで聞かずに寝室へと戻って行った。