第60章 Prelude to collapse
ー雅紀sideー
個室の居酒屋はシンと静まり返り、飲もうとしたビールのグラスを危うく落としそうになった。
「何…それ…」
智「………」
潤「………」
「冗談だよね?松潤…」
潤「それならどんなにいいか…」
信じられなくて、信じられなさ過ぎて…笑いが込み上げてくる。
「だって…ははっ、中学の時からラブラブで…そんな2人が…」
潤「………」
「真央ちゃんと…そんな…やだなぁもう!ねぇりーだー!」
バシッとりーだーの肩を叩いてもりーだーは反応しなかった。
「りーだーも何か言ってやりなよ!悪ふざけが過ぎるってさぁ!」
智「………そうだな…」
「りーだー…」
潤「………」
「………りーだー…知ってたの?」
智「うん…」
「何で…!?」
智「2人で居るとこ見ちゃってさ…かずと」
「じゃあ俺だけ…知らなかったって事?」
潤「ごめん。綾香ちゃんとの事もあったし…宮城から帰って来て落ち着いてから話そうって思ってた」
智「おっと…」
俺の手から離れたグラスが落ちそうになる。
りーだーが間一髪で掴んでくれた。
潤「相葉くんにも知っていて欲しくて。本当は…これから結婚する相葉くんにこんな話…するべきじゃないとも思ったんだけど…」
「………松潤…」
松潤が俺に深く頭を下げた。
松潤が元カノの真央ちゃんと浮気した。
その話を聞いたのは…宮城から帰って来て程よく経ってからだった。