第60章 Prelude to collapse
「潤…」
斗真が俺から離れ、俺の手を引いてソファーから立たせてくれた。
潤「斗真…翔に触んな!」
ズカズカと潤が俺の間に割って入って来る。
そのまま斗真の胸ぐらを掴んだ。
「潤止めて…!」
斗真「何すんだよ」
潤「何すんだよじゃねぇ!俺の居ない時に勝手に上がり込んで翔に何してんだよ!!」
斗真「電話掛けたろ。メールもした。連絡無かったのはお前だろ」
潤「だったら勝手に入るな!」
「止めて!俺が呼んだんだよ!俺が話したかったから呼んだんだよ!ごめんなさい!」
潤「………俺が居ない時に他の男呼んで…今ここで何してた?」
「………」
ギュッと唇を噛み締める。
潤への裏切り。
俺は…罪を犯してしまった。
どう…言えばいいのか。
潤「翔。何黙ってんの」
「ごめんなさい…俺…」
潤「………ごめんなさい?何?何だよ…」
潤が俺の肩を掴む。
「俺…」
斗真「翔くんにキスした」
「と…!」
潤「………は…?」
斗真が俺を掴む潤の腕を離した。
斗真「俺が無理矢理した。翔くんが好きだからキスした」
潤「冗談だろ。冗談だって言え」
潤の声は…震えていた。
斗真「嘘じゃない」
潤「てめえっっ!!」
「潤っ!」
鈍い音と共に…斗真が床に倒れ込んだ。