第60章 Prelude to collapse
斗真「うまっ…」
「え?」
斗真「普通に美味いよこれ!マジで」
「本当?」
斗真「お母さんのカレーだな。家庭の味。最高の家庭の味」
斗真が俺を見ながら山盛りのカレーを頬張った。
「ありがと。嬉しい」
斗真にべったりくっついていた太陽は今はもうソファーで虎鉄と遊んでる。
俺は斗真の正面に座ってグラスにお茶を注いだ。
斗真「いつもこの位置で食事してんの?」
「ん?そうだよ」
斗真「それでそこが太陽か…」
隣にある小さめの椅子に視線がいく。
斗真「あっという間だな…」
そう言って残りのカレーを掻き込んだ。
斗真「ごちそう様。美味しかった」
「あ、うん」
太陽「とーま!とーまあそぼうよ!」
斗真「お。いいぞ。何するんだ?」
虎鉄を抱っこした太陽が斗真を呼んだ。
スキップしながら太陽の元へ行く斗真。
俺はそれを見つめながら食器を片付けた。
太陽「これ!これ一緒にするの!」
斗真「お、何だそれ。負けないぞ!」
楽しい笑い声が聞こえる。
2人の楽しそうな姿に俺は癒されながら夜を過ごしていた。