第60章 Prelude to collapse
スマホを見ると…意外な人物の名前が上がっていて。
「もしもし」
そう応えるとスマホから明るい声が聞こえた。
斗真『もしもし翔くん?』
「斗真…どうしたの?」
斗真『潤は今一緒?』
「いや。智くんと相葉くんと3人で飲んでるよ。何かあった?」
斗真『飲もうって電話したら先約って言われて直ぐ切られたんだよね。何か静かな声だったから気になってさ。大ちゃんと相葉ちゃんとなら仕事の話してんのかな』
「どうかな。たまに3人で飲むから気にしすぎかも…」
斗真『………そっか。ならいいけど。翔くんと喧嘩してなければ』
………喧嘩…。
喧嘩でも出来たら…どんなにスッキリするか。
斗真『………翔くん?』
「あ、ごめん。大丈夫だよ。喧嘩はしてない」
斗真『………本当に?何かあったら聞くよ』
「………」
普段なら…きっと断るだろう。
潤が斗真と2人きりで会う事も嫌がるって事もあるから。
でも今の俺は…この悶々とした気持ちをどうにかしたかった。
「………でも…今太陽と2人だから…家に居ないと…」
斗真『………何かあったんだね』
「………」
斗真『太陽なら俺顔見知りだし…翔くんが嫌でなければ今から行っていい?潤には電話出ないだろうからメールしとくよ。それでいい?』
「………」
斗真『翔くんが決めて』
………俺は息を吐き、そして返事を伝えた。
「………来て。斗真」