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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第60章 Prelude to collapse


ー潤sideー


「ふぅ…」


ため息を付きながら靴を脱いで上がる。
廊下の電気が付いてたから翔が起きてるかと思った。
けれど翔の足音はしない。


当たり前か…もう3時半だもんな。


『お帰り潤。お疲れ様』


笑顔で駆け寄って来る翔の幻が見えた。
疲れてんな俺。


さっさとシャワーを浴びて寝よう。
そう思いリビングに入る。


「………翔…」


翔は…ソファーの上でスマホを握り締めて眠っていた。
ふとキッチンに視線を移すと…テーブルの上にはラップの掛けられた夕食。


遅くなるって言ってたから夕食作らないと思ってたのに…。


「ごめん…翔…」


翔を寝室へ運ぼうと静かに抱える。


翔「う、ん…」


目の前には…翔の綺麗な寝顔。
伏せられた睫毛が綺麗だ…。


ベッドに寝せると布団を掛け、傍らに腰掛けた。


あの日から…俺達夫婦の仲は…決して円満とは言えなかった。


分かってる。
全ては…俺のせいだ。


子作りを拒否した上に…翔を裏切るなんて事…。


自分が悪いのに…翔を避けてる。


どうしていいか…分からない。
こんな最低な俺が…翔の側に居ていいのだろうか。


愛してる。
こんなにも愛してるのに…側に居るのが辛い。


「翔…愛してる」


静かに眠る翔にそっとキスを落とした。
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