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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第60章 Prelude to collapse


ー翔sideー


宮城でのコンサートが終わると間髪入れずにツアーのリハーサルに入る。


潤は毎日の様にスタジオに缶詰めになり、朝早くから夜遅くまで打ち合わせをしていた。


午前2時。


深夜番組を観ながらニュース番組の資料に目を通す。


年明けにフィリピンに取材に行く事が決まった。
帰って来て直ぐに新曲のPVの撮影。
俺もスケジュールは埋まってる。


「ふぅ…」


窓の外から下に広がる景色を見つめる。


大都会、東京ではこんな深夜でも交通量は多い。


「潤…遅いな…」


あの日から…俺達の間には溝が出来てしまった。


太陽が居れば…父と母の顔で会話をする事が出来る。
仕事の話も…やる時は違和感はない。
でも…夫婦2人になると…潤とどうしていいか分からなくなった。


俺は…歩み寄ってるつもりでいる。
けれど…潤は。
潤が…大きな壁を作ってしまった。
そう感じてならなかった。


俺が話し掛ければ普通に話してくれる。
けれど…潤から俺に話し掛けてくれる事は極端に少なくなってしまった。


1番楽しかった筈の時間。
俺達が何より大切にしていた夫婦2人だけの時間が…こんなにも辛い時間になっていた。


それでも俺は…潤とあの時の様に笑っていたかった。


『翔』


笑いながらそう呼んでくれる笑顔をまた見たかった。


潤…
俺達…また元に戻れるよね?
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