第59章 宮城の夜
智「かず!」
りーだーがにのの腕を掴んで引き寄せる。
にのは…身体を震わせながら泣いていた。
和「………潤くんがこんな事するなんて…思わなかった…」
「………俺も…自分がこんな最低な人間だなんて思わなかった…」
智「松潤…本当に…真央ちゃんと…?」
「………翔に話す。話して…許して貰う」
和「………これ以上翔さんの事傷付けるの?」
「………」
和「潤くんとの子供が欲しくて頑張ってる翔さんに子供いらないなんて言っておいて…挙げ句の果てに元カノと浮気?それを話すって!?馬鹿じゃないの!?」
「嘘は…付けない…」
和「偽善者ぶらないでよ。自分が嫌なだけでしょ。翔さんこれ以上傷付けたらどうなるの。翔さんもう…立ち直れない」
「………にの…」
和「潤くん…翔さんの事…好き?」
にのの瞳から…涙が溢れた。
「愛してるよ。翔以外…愛してない」
和「だったら一生黙ってて。真央ちゃんとの事は墓場まで持って行って。それで不妊治療にも協力してよ」
智「かず。決めるのは松潤だろ?それに…」
和「俺は翔さんの味方だから。これ以上翔さんが傷つくの見たくない。潤くんだって翔さん失いたくないでしょ。離婚したいの?」
「離婚なんて…したくない」
和「だったら答えはひとつだよ」
そう言い残し、にのはりーだーの腕を掴んで部屋に向かって歩き出した。
りーだーがこちらを向き口パクで『連絡する』と言っていた。
翔が…傷付く…
俺は…黙ってなきゃいけないのか。
傷付けたくない。
嘘は…付きたくない。
どうすればいい?
どうすれば…