第59章 宮城の夜
酒のせい…?
今の翔との関係のせい?
分からない…
でも…事実は変えられない。
俺は…真央を抱いた。
翔を…裏切ってしまった。
とんでもない過ちを…犯してしまった。
真央「私…帰った方がいいよね」
「………そう、だな…」
真央「潤くん…」
「真央…ごめん。俺…俺は…」
真央「分かってる。私が…誘ったの。潤くんが好き。ずっと…忘れられなかった」
言いながら真央がベッドに腰掛ける。
「今言っても遅いけど………本当は…別れたくなかった。潤くんが…憎かった。ひっぱたいて…罵りたかった。でも貴女の前では…いい女で居たかった。櫻井さんを越えられなかったとしても…私と居た1年…後悔して欲しくなかったから」
「………」
真央「ズルい事した。旬くんから少しだけ聞いてたの。櫻井さんと少しギクシャクしてるって。だから…奪い返せるかもって…ちょっと思った。でも…駄目だった」
真央の手が…そっと俺の身体を撫でる。
「ごめん真央…俺は…」
真央「分かってる。もう帰るね」
「エレベーターまで送るよ」
ベッドから起き上がり、シャツとズボンを着て真央を送り届ける事にした。