第59章 宮城の夜
………夢を、見た。
翔『潤』
振り返ると…笑顔の翔が居た。
自然と俺の顔が綻ぶと…翔の顔も綻ぶ。
『おいで…』
手を広げると…翔が駆け寄る。
勢いよく飛び掛かって来るその身体を抱き上げ…翔にキスした。
翔『愛してるよ潤』
『翔…愛してるよ』
何度も何度もキスする。
太陽『パパ!ママ~!』
気が付くと遠くで太陽が手を振って呼んで居る。
その腕の中には虎鉄の姿。
太陽『パパママこっち!』
翔を抱いたまま駆け寄り、太陽も抱えた。
大切な俺の家族。
翔『ずっと一緒に居ようね』
『勿論』
長い間、俺達はずっと抱き合っていた。
「翔…」
見慣れない天井が目の前に広がる。
何処だ…ここ…。
暫くぼんやりとした後、ホテルの部屋だと分かる。
「………翔…?」
隣を見ると翔の姿はない。
あれ…俺昨日…翔と………。
………違う………
翔は今…東京に…。
その瞬間、昨夜の出来事が一気に頭に流れ込んで来た。
「っっ…!!」
ガバッと勢いよく起き上がる。
ベッドに残る香り…腕に…身体に残る抱いた感触…。
俺は…昨日…真央と…
真央「潤くん起きたの?」
顔を上げると真央が目の前に立っていた。